
地方港として指定された港であっても、地元がポートオーソリティとしての運営を望む場合は、運輸省に申請し、一定の資格を満たす場合はカナダポートオーソリティとなることが出来る。
しかし、この地方港については、個々の港の帰属先は決まっておらず、バルク貨物の荷主などから、このような収益性の低い港の引き受け手がいない場合の処置について懸念が表明されている。このため、国は、移行期間中の6年間総計125百万カナダドルの港湾支援基金をもうけ、地方港の移転促進を図ることとしている。
新法は、1996年末現在国会審議中であるが、カナダ港湾公社(CPC)はすでに大幅に人員を削減しており、従来200人以上いたスタッフは退職あるいは他へ移って、30名程度が残るのみとなっている。各ポートオーソリティ予定港は、もともと自主運営に近い組織であったため、CPCのスタッフを受け入れていない。
3.4 港湾の開発・維持管理に関する連邦の関与
現行のカナダ港湾公社(CPC)制度の下では、CPC管理下の14港からCPCに年間合計10百万カナダドルが、分担金として支払われている。これは、連邦の土地のリース料としての性格があり、バンクーバー港からは、4.3百万カナダドル、モントリオール港からは、2.3百万カナダドルが納入された(いずれも1995年)。連邦運輸省の管理下の港湾については、連邦による整備が行われてきた。
航路の維持凌渫は、海上保安庁が実施しているが、受益者負担の原則によって港湾管理者がその費用を負担している。海上の安全確保、救助及び砕氷は国が実施している。
新法が公布されると、カナダポートオーソリティ(CPA)が8港に設立される。これは、非営利企業で株式は発行しないが、企業として独立採算で運営される。国からの補助、債務保証は一切なく、国は、ボードメンバーの一部を指名するだけの関与となる。
前ページ 目次へ 次ページ
|

|